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健康な老後生活は個人の自立から
長寿国日本。高齢化率はさらにアップ、二十一世紀には世界のトップクラスに。福祉先進国スウェーデンでの看護婦体験などを踏まえ、著書『福祉ってなぁに』(ふたば書房・千五百円)を出版した滋賀医科大非常勤講師のホルム麻植(おえ)佳子さん(四五)、超高齢社会に向けた心構えなどについて聞いた。
麻植さんは大阪府茨木市出身。日本での病院勤務を経て、一九七三年(昭和四十八年)にスウェーデンに。当時高齢化率一四%の長寿社会を目の当たりにし、老人慢性病院などで七年間、看護婦として勤務する。
「豊かな国のはずの日本は、北欧に比べ制度や意識が未成熟。北欧諸国は、弱者を守る人権の問題として、戦後五十年掛けて高齢化問題に取り組んできた」と日本の対応の遅れを指摘、福祉の心を強調する。
日本は七〇年代に高齢化率七訂に達し、今は一四%を超える。他の先進国に比べ、約五倍のスピードで高齢化が進んだ。二〇二五年には二五%に達する。しかし若年層を中心に、お年寄りを支える生産人口は減る一方だ。
家族に全面的に依存する在宅介護は続かないと警鐘を鳴らす。「現在、在宅介護の介護者の九割は女性で、四十代以上の主婦層が主力。介護はしんどい作業で、そのために結婚したのかという強い疑問を抱えている。女性の社会進出が進み、介護に対する意識も変わる中、三十代から二十代の次の世代になるとそうした主婦層はいなくなる。現在の介護力を保てるのはあと十年から十五年」
来る超高齢社会に向け、低出生率の背景にある性差別や、経済的な保障のない介護休業法など、社会意識の問題や制度の不備を指摘する一方で、麻植さんは個々人が自立することを重視する。
健康な老後生活は「精神的、経済的、生活的に一人で生きられるかがポイント」と指摘、「人生をトータルプランとしてとらえ、夫婦で老後について考えてみるのも大切。若い世代も人ごとではない」と訴える。
介護を女性一人で引き受ける一」とは女性への押し付けの連続を意味するだけで、介護の社会化につながらないとも。「地域で介護のネットワークをつくるなど、マンパワーの育成が急務です」と、成熟した社会の到来に期待していた。
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